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金の月銀の月
第8章 Tomorro is another day
山田は美枝子の姿が道路に現れると、車をゆっくり走らせ背後から軽くクラクションを鳴らした。

振り返る美枝子に

「美枝子さんっ、こんな夜中にどうしたんですか?」
車を美枝子の横に着け窓を開けた。

山田は自分のところに連絡を入れてくれていたのかも知れない…
ずっと雅之とのセックスに没頭し、璃子の事を忘れていたのだった。

璃子の父親の所に送り届け、山田がここにいるのだと思った。


「乗って下さい。送りますよ。」
美枝子を車に案内した。

美枝子は山田の車の助手席に乗った。

「あ…離婚の…話しを夫に…」

「そうでしたか…話しは進みましたか?」

「ん…なかなか…」

「そうですか…」

美枝子の頬は赤く紅潮していた。
化粧っ気の無い少し乱れた髪に、急いで着たであろう洋服の乱れが
山田の嫉妬心を煽っていた。

「璃子ちゃん、お父さんの所に行くそうです。」

「そうですか…」
美枝子は視線を真っ暗な外に向けた。

当たり前よね。娘のことを忘れ、セックスに没頭してしまう母親なんて、失格よね…

「少しドライブしましょうか?」
山田は美枝子の右手を握りながら言った。



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