この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
金の月銀の月
第2章 Afternoon tea
美枝子の日常は、家事を午前中に済ませ
午後は夕食の買い物に歩いて出掛けていた。

その途中でたまに喫茶店に寄っていた。
そしていつも大好きなアールグレイを頼んでいた。

アールグレイから漂うベルガモットの香りを楽しみながら、1時間ほど、読みかけの本を読みながらゆっくりしている。

それが美枝子の唯一の至福の時間だった。



その日は大きな買い物をした為に
喫茶店には寄らずに通り過ぎようとした。

すると店先でハーブに水やりをしていた店主が美枝子に気付き挨拶をした。

美枝子も挨拶をし
「今日は荷物が多いから、寄れないの。」
残念そうな顔をしながら、店主に話した。

「荷物なんて、大丈夫ですよ。お急ぎでなければ寄って下さい。ハーブティーをご馳走しますよ。」

店主は店のドアを開け美枝子を店へ案内した。

美枝子は何度もこの喫茶店に来たが
店主と話すのは初めてだった。

大概いつもお客さんが何人かいて
店主は忙しそうにしていたからだ。

代金の支払いはいつもアルバイトの女の子にしいて

「.いらっしゃい」と「ありがとうございました」
と、店主が言い
「ご馳走さま」
と美枝子が返す…
そのくらいしか店主とはやり取りは無かったのだ。


初めて美枝子はカウンターに座り
店内を眺めた。


「座る場所を変えたら、店内の光景も変わりますね」
笑顔で美枝子は店主に話し掛けた。

店主は笑顔で頷きながら
「はい、カモミールティー」
りんごのような香りがした。

そしてそっとカップに唇を近付け
一口をそっとすすった。

「いかがですか?」

美枝子はにっこりと微笑んで
「美味しいです!それと、いい香り!」
と言い、もう一度カップに唇をつけた。

その日の午後はいつもと違うお茶を飲み
いつもは喋らない店主との会話を楽しんだ。





/250ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ