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金の月銀の月
第5章 One and Only
昼前に美枝子は家を出た。
そして一真のいる喫茶店に向かった。

美枝子が店のドアを開けると
一真はカウンターから視線を送り
美枝子だと分かると蔓延の笑みを送った。

「いらっしゃい。」
一真は視線で席を案内した。

昼前で店は少し混んでいた。

美枝子は隅の席に座り店の様子を眺めた。
「居心地のいい店なんだなぁ。」

常連さんらしき人も何人かいた。

たまに一真に話しかけている人。
ずっと本を読んでいる人。
お茶を堪能している人。

「店主がお店でお客だった私とお店で抱き合っているのなんて考えもしたこと無いでしょうね…」

思わずクスリと笑ってしまった。


「どうしたの?」

「ふふふ。今朝の事思い出していたの。」

「凄く興奮したよ…」

「私も…」

周りに聞こえ無いように二人は会話をした。

「また、欲しくなってきたよ…美枝子を…」

「私も…」

二人は熱い視線でお互いを見つめていた。


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