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金の月銀の月
第5章 One and Only
雅之も璃子も夕食時には帰宅していた。

「明日から出張だから。」
雅之はボソッと言った。

「週末に?出張?珍しいわね。それも連休に…」

「急遽決まったんだ。」

「あ…ママ、私も早朝から遠征よ。」
璃子も部活で出掛けるようだ。

「じゃあ、支度しないと。」

夕食が終わると美枝子は、璃子と雅之の着替えを準備し始めた。

雅之の書斎をノックし、部屋に入ろうとすると
怪しい動きをした。

「な…なんだ?」

「雅之さん、着替えを…スーツは…」

「いい。自分でするから。お前はしなくていい。明日朝早いから、起きなくていいぞ。」

「何時頃に?」

「いや…5時かな…車で行く。」

「璃子もその時間ですから…」

「いや、もっと早いから…」

「は…い。」

美枝子は書斎のドアを閉めた。


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