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びっちカノジョ 【1期目】
第12章 Scene.11
 
「取り敢えず、ボクらも宿を探さなきゃ」

「いい加減野宿もイヤぁっ。シャワーも浴びたい」

「たまにはマトモな物、食いたいしな」

 確か、この宿は満杯だったはず。

 大きな街では無いけど、他に数件宿があるのは分かってる。

 だとしたら、最悪の事態は免れそう。

 と言うか、早くどっか行って。

 いい加減逆上せそう。

「それじゃ、行こっか」

「早く此処から出ましょ。何だかアタシまで此処で働いてる人に見られそう」

 漸く遠離っていく足音。

 アタシのカラダがお湯に浮かぶ前で良かった。

「はぁっ………」

 空気が美味しいと思ったのは言うまでもなく。

 とにかく、アイツ等が来た以上見付からないようにしなければ。

 それか、見付かる前に他の場所に移動したい。

 何やかんやと言って、人の良いおばさんと別れるのはツラいけど仕方ない。

 思考を張り巡らし髪を拭きながら浴室を出る。

「よお」

「げ………」
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