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びっちカノジョ 【1期目】
第3章 Scene.02
 
 前方に呻く人影発見。

 コンクリートの塀に寄り掛かって項垂れている男。

 見慣れたスーツ姿。

 あからさまな反応を見せる人種。

 ドキドキする。

 コツコツと足音を響かせて距離を縮めていく。

 お腹も空いてる。

 それでも、どんな反応をするかと思うと、興奮の方が強くなってくる。

 一歩、また一歩と近付く。

「ンハァ…はぁ……」

 キッチリした身形の、見慣れたサラリーマン姿。

 三十前後といった感じ。

 項垂れていた顔がこっちを向く。

 ドキッと高鳴る。

 我慢できない。

 もっと視られたい。

 視て欲しい。

 近寄る事に何の躊躇いも無かった。

「ンハァ…どお…したのぉ?」

 甘ったるい声が出る。

 今までのだみ声なんかとは違う澄んだ声。

 そんな声で、鼻に掛かる甘い声なんてイヤらしい。

「あ、アナタは…」

 低い声にゾクッとする。

 視線が顔からカラダへと万遍なく移動していく。

 堪らない。
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