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第15章 Scene.14

　
「ちょ、ちょっとぉっ!?」

　動転する。

「あ、姐御っ。静かにっ！」

　いつになく張り詰めた雰囲気に、慌てて両手でクチを塞ぐ。

「良いっスか？　今の所、此処が一番見付かりにくいっス」

　両手でクチを押さえながら、ただ、コクコクと頷く。

　その間も、外から聞こえるのは断末魔。

　ちっとも安全な気がしない。

　そればかりか、脚が竦んで立っているのも精一杯。

「今、アッシらの所に押し寄せてきてるのは、この辺りの獣人のヤツらっス」

　なに、そのファンタジー。

　もっとも、最初から違和感ありまくりだったけど。

「かなり前から縄張りが一緒だったアッシらとアイツらは抗争が絶えなかったっス」

　縄張り争いってヤツね。

「でも、それを今のアッシらのボスと、アイツらのボスで手打ちにしたっスよ」

　相変わらず、扉の隙間から様子を伺ってる山賊。

　緊張からか、体が強張ってるようにも見える。

「それまでアイツらは、抗争の度にオンナを攫っていったっスよ」