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びっちカノジョ 【1期目】
第15章 Scene.14
獣人が立ち上がろうとした壁の横。
開け放たれた儘の扉には、赤い液体を滴らせる斧を片手に息も絶え絶えの山賊の姿があった。
「ック…き、きさ……うがぁぁっ」
「ハァッ…ハァッ……うるせぇっスよ………」
獣人を物言わぬ物体へと変化させた山賊。
獣人だったものに目もくれず、覚束無い足取りでリュウジへと向かう。
「オレが居なかったばかりに…すまねぇ………」
「他の奴らは……って……姐御………」
リュウジの言葉よりも、その傍らで転がるエリスの姿に絶句する。
「どうして……逃げなかった…ッスか………」
山賊の手から斧が抜け落ち、カタンッと音を立てる。
「お前ら……コイツと………」
「…色々…あったっスよ………。みんな…何だかんだ…姐御って呼んで……それで………」
エリスを挟んでリュウジと向き合うように膝を着いた山賊。
変わり果てたエリスの姿に涙を流す。
「あぁ…アンタ…かぁ……」
「姐御っ!?」