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第3章 紫色の欲情が創る世界
また『浮き輪膨らんだ?』とか
言うと思ってたのに
後ろを振り返りじっと俺を見る
斗亜の顔が
本当に綺麗で
それ以上、欲を言えなくなる
「離して」
その言葉は魔法のように
すんなり俺の力を抜いて
隙間のなかった俺と斗亜の身体の間を
緩い風が走る
「…ちょっと黙ってて」
静かな消え入りそうな声で言って
俺の胸に触れる
指先がそろそろと俺の肌をゆっくり滑り
斗亜の唇がその轍に触れた
「と、斗亜っ…!?」
「シーッ」
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