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第3章 紫色の欲情が創る世界

「偉月の鼓動聞こえる」

ひぐらしの鳴く声と
自らの鼓動と微かな水音が
反響して
世界を静かにしていく

「……斗亜…キスしたいねんけど…」

「して?って言ってみて?」

「…キス…して」

「素直」

静かになった世界で
ゆっくりと赤色が水に溶けて
水色に広がる

微かに触れるキスは
俺からするものより
ずっと神秘的な味がした
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