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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方
──国を揺るがし兼ねない騒動の発端は、ある陽射しの気持ちいい昼下がりに王城に訪れた来訪者がもたらした。
アリエッタは教養の最中、アリエッタに面通しを願う報せに教養を中座し、リビングへと向かった。
そこにはアリエッタだけでなく、レオや王と王妃も顔を揃えていた。
来訪者は舞踏会で何度か逢ったことのあるチャールトン伯爵だった。
部屋に入ったときからピンと張り詰めた空気がアリエッタの肌を刺し、それをもたらす“正体”に嫌な予感を覚えずにいられない。
アリエッタは緊張しつつ、レオに促されるまま彼の隣に腰掛ける。
「──突然お呼び立てして申し訳ありません」
伯爵の挨拶に、普段笑顔を絶さない王妃さえ能面で返す。
レオも無表情で感情を一切読み取れない。
それがいっそうアリエッタの不安を駆り立てる。
「お呼びしたのは他でもなく……」
ちらり、伯爵は横に座る人物を──“人物たち”を見やった。
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