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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方


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「一時はどうなることかと思ったわ」


「まったくだ。このようなけしからん事を考えるとはなんとも嘆かわしい」


 久しぶりに王城へと足を運んだアリエッタに王と王妃が茶の席を設けてくれ、アリエッタの元気そうな姿を喜んだのも束の間、事態の結末に不満をこぼす。


「お騒がせして申し訳ありませんでした」


「あら! アリエッタはなにも悪くないわ。疑われるような態度のレオが悪いのよ」


「母上。話を蒸し返さないでいただけますか」


 賑やかに軽口を叩けるのは、乗り越えたものがあるからだと実感する。


「でも私、今回の件で多くのことに気づかされました」


 しみじみと口にし、隣に座るレオを見上げると、優しく微笑み返された。


 アリエッタの腕は細くてか弱く、多くのものを抱えてはいけないが、決して離してはいけないものがあるのだと再認し。


 誰かを思いやり、優先させることも大事だが、己の気持ちを強くもっていなければ誰のためにもならないんだと気づかされる。


「これから二人はこの国の王と王妃になり、国を背負っていかねばならない。だがな。その前に夫であり妻であり、互いに信じ合っていかねば乗り越えられないことも起こってくる。私や彼女のようにな」


 王の目元に刻まれシワが深くなり、歩んできた道のりの険しさを物語る。


「大丈夫ですよ、私たちは。父上たちに負けないくらい信頼し合い、愛し合っていますから」


 テーブルの下でレオの手が伸びてきて、しっかりと握られる。


「王さま。なんだか私、暑くなってきましたわ」


 茶化す王妃にアリエッタは頬を染め。けれど喜びがこぼれてはまた溢れるのを止められなかった。










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