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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?
「それも知ってる。というか、お前も人のこと笑えないだろ」
「ちょっ! なんでレオが知ってるのよ!?」
「なんでって、本人から聞いた。あれだろ? お前が社交界デビューした日にグロリア嬢に誘われて押し倒されたんだよな」
「ぎゃー! 筒抜けじゃない、あの女狐め!」
「グロリア嬢……ああ、男食いで有名な。彼女は確かセドリック様より四つ年上でしたっけ」
フン、と鼻で笑い、ジョシュアは慌てるセドリックをいい気味だとばかりに見ている。
「ちょっと! レオは!? あたしたちだけ辱めて、あんただけだんまりは赦さないわよ!」
「俺は……忘れた」
「嘘おっしゃい! ジョシュア! あんたなら知ってるんでしょ!?」
「それが……レオ様はそういうことに関し、とても上手くやられるので、私にも解らないのですよ」
「ま、俺のことはいいだろ」
肩を竦めるレオの横。これまで耳を塞ぎたい内容に、眼を白黒させてじっと耐えていたアリエッタが、誤魔化す彼を見上げる。
するとレオは一瞬だけ眼を合わせ、すぐ逸らしてしまう。
途端、心の中にモヤモヤとしたものが立ち籠める。
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