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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?



「どうした? なんの騒ぎだ?」


 馬車から降りてきた声の主は、レオのものだった。


「レオナルド様! いえ、実は……」


「レオ……!」


 声に安堵し、アリエッタは振り返る。だが彼の姿を見た瞬間、首を傾げてしまう。


 なにかが違う。レオはレオなのだが……そう、これまでのレオよりも一回り小さいように思えた。


 そして彼はアリエッタを認めた途端、驚愕に眼を丸めた。


「キミは……アリエッタ?」


 琥珀色の双眸が見開かれ、揺れている。眉根を寄せ、信じられないとばかりに小さく首を振ってもいた。


「レオナルド様のお知り合いでしたか? 実はこのご令嬢がレオナルド様の妻だと言い出しまして。おかしなことを言うものですから、捕えようとしていたところです」


「つ、妻!? いや、ともかく彼女を離してやれ」


 レオに言い付けられた衛兵はアリエッタの手首を離す。そしてレオはアリエッタへと近づき、腰を抱いて馬車へと促す。


 近づくと余計にいつもの彼との違いが見せつけられる。アリエッタよりもやや背は高いが、見上げるほどではない。


 混乱に言葉を失うアリエッタだが、レオが促すままに馬車へと乗った。





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