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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?
対面に座るレオは、まだ信じられないといった顔でアリエッタをまじまじと見ている。それはアリエッタも同じだった。
互いに言葉を失ったまま王城の正面入口に馬車が停まる。
「ともかく俺の部屋へ。父上……特に母上に見つかると煩い。静かに着いてきて」
アリエッタは混乱の渦中にいたが、レオの言う通りにしたほうがよさそうだと、黙って頷き、彼の自室に着いて行った。
入った途端、レオは深く嘆息する。
「どういうことか説明してくれないか」
疲れきったような声で問われるが、アリエッタにもさっぱりだ。説明もなにも、訳が解らないのだ。
アリエッタが戸惑っていると、レオは質問を変えてきた。
「俺の知るアリエッタは13歳かそこらのはず。だが今のキミは……一体いくつだ」
「じゅ……13歳!? 私、18よ」
驚きつつ即座に答える。だが待てよ、と思い、恐る恐る彼に訊ねる。
「ということは……レオは……?」
「俺は半年前に15になった」
「じゅ……15歳!?」
どうにも信じ難い話だが、彼の容姿や先ほどの衛兵とのやり取りが真実だと物語っている。
どうやらアリエッタは5年も前の世界にいるようだ。
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