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隠匿シリーズ☆番外編
第7章 その代償は



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 一方リンゼイは、この日アリエッタとニーナと約束していた城下の王室御用達ブティックで買い物を終え、ニーナ一押しのカフェでお茶の時間を愉しんでいた。


 そのカフェは貴族の間でとても人気が高いらしく、常時賑わい、列を作ることもあるのだとか。


 リンゼイたちが足を運んだときも数組の紳士や淑女が店の外で待っていたのだが、その中にアリエッタを知る人物がいて、王太子妃を待たせるわけにいかないと、店員に彼女が来ている旨を伝え、席を空けてもらえるよう頼みに行ってしまった。


 当のアリエッタは恐縮し


「私たちも順番を守り、待っていますから大丈夫です」


 と、伝えに行った紳士や、席を用意したと言いに来た店員に丁重に断りをいれていた。


 しかしニーナが「せっかくだし、入っちゃいましょうよ」とアリエッタの腕を引っ張り、強引に中へ入り、ほとんど待たずに席に座ることが出来てしまった。


「もう、ニーナったら。こんなことダメよ」


 王太子妃が来ていると店内でも噂になり、注目を浴びて肩身が狭いらしいアリエッタはニーナに声を潜めて窘めている。


「いーの、いーの! 厚意は受け取ってこそ、感謝の意を表すものなんだから」


 ニーナはアリエッタの窘めを意に介さず、ケロリと言っている。


 彼女たちは性格など正反対なのに、子供の頃から仲がいいのだとか。一日共に過ごしてみて、その仲の良さは充分に窺えた。





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