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隠匿シリーズ☆番外編
第7章 その代償は
「落ち着いて、リンゼイ。セドはあの通りあたしの言うことなんか聞きゃしないけど、レオナルド様の言うことなら聞くはずだから。ね、アリエッタ?」
「え? えぇ、そ、そうね! レオからもセドリック様に言ってもらうわ。だからもう心配いらないわ」
アリエッタも動揺しているらしかったが、ニーナに同意し、力づけてくれる。
けれど元凶は自分だ。リンゼイはすっかり意気消沈し、このあと美術館に行く予定になっていたが、とてもじゃないが美術品鑑賞をする気になれず、二人に申し訳なく思いつつ、一足先に邸に帰った。
ジョシュアの帰りをひたすら待っている間、リンゼイは彼への申し訳なさでいっぱいだった。
暴露の件で謝罪はしてあったが、再度謝ろうと決めていて。だが待てど暮らせどなかなかジョシュアは帰って来ない。
遅くなることはよくあるものの、心配事があるせいか、時間の流れが普段よりも遅く感じる。
ようやく帰って来たとの報せを侍女から受けたのは、食事や入浴を済ませた頃だった。夜着にガウンを羽織り、玄関ホールへと迎えに行くと、彼は珍しく酒の匂いをさせていた。
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