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隠匿シリーズ☆番外編
第1章 愛ある行為もほどほどに


 アッシュブラン邸のレオとアリエッタの寝室で、ビロードの帳〈トバリ〉が降りる豪奢な寝台の上、朝の気配に誘われるようにアリエッタは眼を醒ます。


 まだ微睡みから抜けきらずぼんやりとしてはいたが、ふと何かがおかしく思えてきた。


(なにかしら……?)


 違和感……とでも言おうか。アリエッタはそれを探るべく半分ほどしか開いていない視界で辺りを見渡すと、目線の少し下に蜂蜜色の髪が見えた。


「ん……?」


 疑問のまま喉を鳴らすと、思いの外低い声にアリエッタは首を傾げる。


 アリエッタはゆるゆると視線を下げる。すると、なぜかは解らないが、そこにアリエッタがいる。


「んん……?」


 夢でも見てるのだろうかと寝惚けた頭を捻ったところ、アリエッタの腕の中で眠る“アリエッタ”が身動ぎした。


 そしてやおら瞼を開ける“アリエッタ”と眼が合った。


 “アリエッタ”もまた寝惚けているのか、首を傾げたが。


「……は?」


 眉を顰めた彼女が口を開いた。






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