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隠匿シリーズ☆番外編
第8章 次期執事は誰の手に
「ディランが駄目となると……あいつしかいないか」
「彼、ですか」
「ああ。呼んでくれるか」
「……かしこまりました」
レオと会話を交わし、すぐさま目的の人物を捜しにいく。そして彼にはなんの説明もなしに、とにかく付いてくるように言い、再びレオの執務室に戻ってきた。
「失礼しまーす。……って、なんかこの部屋寒くないですか!? 寒いし重い!」
「気にするな……キッシュ」
──そう。レオが呼んだのはキッシュだ。他にも使用人はいるにはいるのだが、執事は人前に出ることも多く、顔立ちが良くなければ務まらない仕事で。
そうなると限られた人物しかなれない職種でもある。
キッシュはまだ若く、背丈も低いものの将来有望さを感じる。
黒鳶色の柔らかな髪に山吹色の瞳を持つキッシュは、成長すればさぞ美丈夫になることだろう。今でも侍女の間では美少年だと人気がある。
「あの……僕、なんで呼ばれたんでしょう? なんかしましたっけ?」
「いや、なにかするのはこれからだ」
「へ?」
「ところでな、キッシュ。お前、庭師の仕事にこだわりはなかったよな?」
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