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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
ラインハルトから遠く離れた国にある、俺様タウン。そこに住む佐伯波瑠、佐伯奈都兄弟の元に一通の手紙が届けられた。
その手紙を最初に手にしたのは弟のナツだった。彼らの家に同居する隣の家に住んでいた愛しの幼馴染──葉山静流ことシズの部屋に、朝方忍び込もうとして、その手紙を発見したのだ。
しかし彼女の部屋には誰の姿もなく、代わりに蜜蝋で封のされた封筒が一通あるのみ。ナツはシズが見当たらないことにまず慌てたが、その怪しげな封筒にシズの行方が隠されているのではと、封を開いた。
そして彼は手紙の内容に眼を通してすぐさまハルの部屋に駆け込んだ。
ハルは昨夜遅くまで勤め先の病院で仕事をしており、帰ったのは朝方近かった。
仕事自体は定時に終わったのだが、幼い頃から兄のように──いや、本人はなかなか認められなかったのだが、一人の男として見守ってきたシズのある特殊な体質を治すために、研究に没頭していたがため、帰りが遅くなったのだ。
ベッドに横たわり、ようやく眠りについた矢先、騒がしい足音と共に自室の扉が勢いよく開けられ、弟のナツに揺さぶられた起こされた。
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