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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
「あんのアマ……! もー、赦さねぇ!! あったまきた!」
ハルは怒りと気合いで眠気を吹き飛ばす。その気迫たるや、色を感じることの出来るアリエッタを泣かせるほどだ。
「ハル様……こわ……い」
「ハル! アリエッタを泣かせるなー!」
「うるせぇ! 勝手に泣いたんだろーが!」
頭にくるあまり、つい怒鳴ってしまうが、ビクリをするレオを見て口を閉ざす。
ハルはこの時気付くべきだった。ゆっくりと訪れていた異変に。兆しはあったのに、セレンに対する憤りで見逃してしまっていた。
しくしくと泣きやまないナツ。あまり涙を見せないはずがハラハラと泣いているアリエッタ。あれしきの怒声でビクつくはずもないレオ。
そう、きちんと気を配っていれば見逃しはしなかったのに。
それに気付いたのは、また暫く歩いてからだった。時おり急激に襲ってくる眠気を憤怒で追い払いながら、セレンの邸を目指していると。
「ハルにぃ……お腹減ったよぉ」
ぽっちゃり体型の期待に反しない発言をするナツ。それを皮切りに他の者たちも弱音を吐き始めたのだ。
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