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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
「お前ら……なんともない、か?」
吐き気さえするほどの眠気にハルの頭はグラグラと揺れるが、シズとナツがこれを味わっているのではと不安になる。
「ううん、なんともないよ! ハル兄は? どうしちゃったの!?」
「ハル兄ぃ……しっかりして」
シズはハルを揺すり、ナツはしくしくと泣き始める。
と、その時だ。またあの高笑いが聞こえてきた。
「おーほっほっほっ! ここから先は30オーバー立ち入り禁止区域よ!」
忌々しいセレンの声に、ハルはこめかみに青筋を浮かべてそちらを見上げる。木の枝に座るセレンの姿が視線の先にあった。
「こ、んの糞ババア! だーれが枯れた加齢臭がするだぁ!?」
「いやいやいや、ハル兄。そこまで言ってないから」
ハルの怒声にシズが冷静に突っ込む。けれど怒りに燃え上がるハルには届いていない。
「んなとこにいねーで降りてこい! こねーなら、こっちから行ってやらぁ!」
「ふん。ただの30オーバー人間ごときが、この私に手出し出来るとでも? 糞ジジイは大人しくそこで寝てなさい。可愛い子供たちはこの先のお邸で待っているから。じゃあまたあとで逢いましょうね」
セレンは投げキスを残し、またもボフンと消えてしまった。
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