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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待








「はぁ、はぁ、はぁ……。やっと……着いた」


 腕にシズを抱え、背中にナツをおぶさり、言うことを全く聞かない奔放なレオの首根っこを掴み、我関せずなジョシュアを言いくるめ、怯えるアリエッタを宥め。


 道中、シズとナツ以外を放っておこうと何度も思ったが、どうにかこうにか全員連れてセレンの邸までたどり着いたことを、目一杯褒めてやりたくなる。


 蔦に覆われた建物は、これぞ魔女邸と言わんばかりの風貌だ。


 ハルはこれまでの苦労と鬱憤を晴らすため、躊躇せずに扉を蹴破る。ノックするなんて紳士的な振る舞いをしたいとも思わなかった。


 踏み込むと室内は薄暗く、蝋燭の火が壁で揺れている。内装も魔女の名に相応しもので、悪趣味な髑髏の置物や、奇妙で奇抜な飾りが天井から吊り下げられていた。


「ババァ! 出てこい!!」


 ハルはナツだけ床に下ろし、叫んだ。


 すると正面にある扉が勢いよく開いた。


「だぁれがババアですって!? って、あんた! なんで寝てないのよ!?」


「てめーのよわっちー魔法なんか俺様の気合いで吹き飛ばしてやったよ」


 ハルはフンと鼻先で笑う。






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