この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
「はぁ、はぁ、はぁ……。やっと……着いた」
腕にシズを抱え、背中にナツをおぶさり、言うことを全く聞かない奔放なレオの首根っこを掴み、我関せずなジョシュアを言いくるめ、怯えるアリエッタを宥め。
道中、シズとナツ以外を放っておこうと何度も思ったが、どうにかこうにか全員連れてセレンの邸までたどり着いたことを、目一杯褒めてやりたくなる。
蔦に覆われた建物は、これぞ魔女邸と言わんばかりの風貌だ。
ハルはこれまでの苦労と鬱憤を晴らすため、躊躇せずに扉を蹴破る。ノックするなんて紳士的な振る舞いをしたいとも思わなかった。
踏み込むと室内は薄暗く、蝋燭の火が壁で揺れている。内装も魔女の名に相応しもので、悪趣味な髑髏の置物や、奇妙で奇抜な飾りが天井から吊り下げられていた。
「ババァ! 出てこい!!」
ハルはナツだけ床に下ろし、叫んだ。
すると正面にある扉が勢いよく開いた。
「だぁれがババアですって!? って、あんた! なんで寝てないのよ!?」
「てめーのよわっちー魔法なんか俺様の気合いで吹き飛ばしてやったよ」
ハルはフンと鼻先で笑う。
.