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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
セレンは歯を軋ませる。しかし彼女が口を開く前に、レオが剣を振りかざしてセレンに突っ込んでいった。
「悪い魔女は俺がやっつけてやるー!」
心も子供になってしまったレオだったが、どうやら目的は忘れてなかったらしい。
「私だって!」
続いてジョシュアもセレンに向かっていった。
しかしセレンは余裕の笑みで、例の如く杖をどこからか持ち出し、円を描いて回した。その軌道には小さなダイアモンドのような煌めきが舞い、剣に纏わりつく。
みるみると剣は柔らかくなり、茶色く変化したかと思えば木の枝に変化してしまう。
「こら。駄目よ、坊やたち。そんな危なっかしい物振り回しちゃ」
セレンは甘ったるい声でふたりを叱ると、目前まで来ていたレオとジョシュアの鼻をツンとつついた。
彼らは鳩が豆鉄砲を食らったような顔でそれを受け、信じられないとばかりに手に持つ枝を見詰める。
「す……すごい! どうやったんだ!?」
目的は忘れずとも、思考は子供だ。レオは眼を輝かせて、セレンに問い掛ける。彼女は嬉しそうに腰を折って、レオに視線を合わせた。
「うふふ。それはねぇ、あっちでじっくり教えてあ・げ・る」
ハルにしてみれば鳥肌が立つような声でセレンは言うと、レオとジョシュアの肩を抱えて部屋に連れ込もうとした。
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