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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱

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母の計らいで先にメフィスの私邸へと帰る運びになったレオとアリエッタ。
慌ただしく帰ることとなり、なにかあったのではと心配するアリエッタを余所に、レオはこれで邪魔されずにアリエッタと居られると上機嫌だ。
しかも元々の滞在予定は一週間だったらしく、移動時間を抜いても邸に戻ってからあと四日は誰にも文句言われず、アリエッタと過ごせるのだ。
道中もアリエッタに触れたかったものの、たっぷりと可愛がってやりたくて、膝に乗せるのに留め。
邸に戻って早々、自室に連れ込む。
「明日からまたレッスン頑張らなきゃね」
まだ事情を把握していないアリエッタが夜着に着替え、ドレッサーの前で髪を梳かしながら話す。
「レッスンは暫く休みだ」
「え? でももう一週間近くお休みしたのに」
梳くのを止め、振り仰ぐアリエッタの髪を一筋掬って指に絡める。
「王太子妃の一番の勤めがなにかわかるか?」
「政治のお勉強……とか?」
「違う。……跡継ぎを産むことだ」
髪に軽く口付ければ、アリエッタはポカンとしたあと、真っ赤になった。
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