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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱



 驚きと共になりを潜めようとしていた疼きが込み上げる。


「俺もだ」と告げようとしたとき、寝息が聴こえてきた。


 もう一度……と期待しただけに、レオは掌に顔を埋めざるを得ない。


 可愛いことを言うだけ言い、煽るだけ煽っておいて寝てしまう彼女の寝顔が少しだけ恨めしい。


 多分アリエッタ本人さえ気付いてないのだろうが──一見してレオがアリエッタを翻弄しているように見えるが、実際は逆だ。


 無意識に、無自覚に。


 レオを喜ばせ、ときに苦悶させるのはアリエッタだ。


 誰よりも愛しい人の寝顔を眺めつつ、行き場の失った熱に嘆息するしかなく。


 そしてアリエッタを独占出来ても出来なくとも、この幸福な悩みはまだまだ尽きそうにないとレオは苦笑いを浮かべたのだった。









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