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隠匿シリーズ☆番外編
第3章 ご主人様の裏の顔
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邸に帰ると正面入口の前でアリエッタが待っていた。
レオが姿を見せるとアリエッタは駆け寄ってくる。
「よかった! 無事……だったのね」
心底安堵するアリエッタをレオは抱きすくめる。
「当たり前だ。アリエッタを置いて俺がどこか行くと思うか? それより冷えきってるじゃないか。中で待ってればいいのに」
「だって心配で居ても立ってもいられなくて。どこか怪我とかしてない?」
「ああ。けど……悪霊にあてられたのか、俺も身体が冷えて仕方ない。温めてくれるか」
「え? え?」
戸惑うアリエッタにレオは嘯いて、颯爽と邸の中へと連れ込んだ。
「……ジョシュアさん。僕、レオ様だけは絶対敵に回したくない」
「そうするのが身のためですね」
残されたキッシュはジョシュアにそう漏らし、返ってきた返答にますますゾッとする。
アリエッタには決して見せないだろうレオの一面を垣間見て、キッシュは忠誠とは別の誓いを立てる。
亡霊さえ脅したあと、なに食わぬ顔で愛しいアリエッタには甘く微笑む。
そんなレオを敵に回しても百害あって一利なしだ。
だからキッシュはそっと、しかし固く誓う。レオには逆らうまい、と──。
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