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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
ラインハルト王国の王太子であるレオと結婚し、アリエッタを取り巻く環境は一転した。
馴れないレッスンに王室の慣習を学び、公務を時おりはこなす日々。
戸惑うことも多く、だがレオの支えで忙しくも幸せな毎日を送っているアリエッタ。
しかしだ。少しだけ……いや、本音を言えば相当困っていることがあった。
それは──。
王城でレッスンの合間に気晴らしでバラの咲き乱れる庭園をアリエッタは歩いていた。
レオの私邸も素晴らしいが、王城の庭園はさらに広大で、花の種類も多い。
一日やることがなければ、スケッチブックに描いて回りたいくらいだ。
けれど学ぶことは山ほどあり、そうもいかない。
いずれ時間に余裕が出来たら……と小さな夢を抱きつつ、白や赤のバラが両脇に咲く歩道を歩いていれば。
「ア、アリエッタ様!」
呼び止められた声にアリエッタは振り返った。
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