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第3章 純潔の女

その刹那に火花が散ると、ドスの刃は空中分解した。

「なっ！？」

連続した警棒の打撃は男の顎を粉砕した。
敵の武器を破壊し、そのまま稲妻が闇の宙に弧を描いたのだ。

ドスの男も地面に膝を落とし、次に額から崩れ落ちた。


顎を狙うのは、脳を攻撃するためだ。

脳自体は頭蓋骨という鎧がある。
顎はガードできない。

この警棒技術は軍隊時代に習ったナイフ殺法を警棒に応用した直樹のオリジナル技術だ。


「貴様ぁ…」

最後に残った男は女の子を人質に拳銃を取り出した。


「く…外道め…」

警棒を投げても、ポケットのメリケンを取り出して投げても間に合わない。


（どうすればいい…？）


「た、助けてぇぇ」

女の子は弱弱しい声を洩らした。