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秘密の香り
第9章 秘密の夜
大きい背中に頬を寄せて
圭吾さんの香りを嗅いだ…


圭吾さんは
抱きしめている私の腕を優しく撫でる


その手の温かさに
優しさを感じ
涙が溢れた…


鼻をすすり涙をふこうと腕を離したとき
圭吾さんが振り返った



「桃香ちゃん…?」


私は俯き
涙を手で拭った


「どうした…?」


「なんでもない…です…」



ぎゅ…


圭吾さんは私を抱き寄せ
背中を大きく撫でた


「なんでもなくないよね…?」


また涙が溢れる…



圭吾さんを好きな気持ち…

彼女がいるかもしれない不安…

敦への罪悪感…


その想いが複雑に絡み合い
苦しくなった


「ミルクティー飲もうか…?」


頭を撫でられ
ソファまで手を引かれながら歩く


圭吾さんが私の前に
ミルクティーが入ったティーカップを置いた。








































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