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透明な黒
第1章 大雨


パシャパシャパシャッッ……



雨足が強まってきた。

朝の予報ではこんなに降るとは

言ってなかったはずだ。

傘を持っていない烈(れつ)は

舌打ちしながら町を走っていく。

このままびしょ濡れだとバイト先で痛い目で

見られるだろう。

チラッと携帯に目を落とすとまだまだ

時間はある。


「少し雨宿りするか……」


もともと予報外れなんだ。

すぐに止むだろう。

古びた商店を見つけその屋根に隠れる。

閉じられたシャッターには

しばらく休店します。 店主

と赤い字で書かれていた。

「はぁ。早く止まねぇかなぁ」

びしょ濡れになった服を絞りながら

ため息をつく烈。

すると一人の女の子が駆け足で

こちらに向かってきた。

女の子も予報外れの雨から逃げるように

烈と同じ屋根の下に滑り込んできた。

「はぁはぁ……」

チラッと隣を見るとなかなか綺麗な

女の子だった。

濡れた栗色の髪の毛はしっとりとしていて

烈は率直に綺麗な髪の毛だな。と思った。

「あら。あなたも傘がないのね?」

突然話しかけられ驚く。

「……あぁ。」

「私もなの。雨止まないかしら」

「……」

こっちを向いて話しかけてきた女の子は

烈と同じ年頃だろうか。

切れ長の二重がジッと烈を見る。

「でも、止みそうにないわよね。
あなたはこれからどこかへいくの?」

「バイト」

烈はそっけなく答えた。

随分気安く話しかけてくる女の子だなと思った。

「そっか。止むといいね。」




ザーッザーッ


雨足が強まってきた。

まずいな、雨宿りしてる意味がなくなる。

かといってこの雨の中飛び出す気にもなれない……


「なんか雨止みそうにないね。
ねえ、なんか話しない?」

ニコッと笑いかけるその笑顔が何となく

切なく見えたのは気のせいだろうか。

「いや、俺はバイトあるし……。」

「何時から?」

「もうすぐ」

「どこでバイトしてるの?」

「あそこらへん」

「名前は?」

「烈」

「何歳?」

「18」

「烈は高3?」

「…………質問多くね?」

矢継ぎ早やの質問攻めにあった烈。

しかも勝手に呼び捨てにされたし。







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