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透明な黒
第1章 大雨
「ごめんごめん!でも名前と年しか
わからなかったよ?」
烈は元々、女の子と話すのは得意ではない。
「……俺、あんま話すの得意じゃねーし。」
冷たい性格ではないのにそっけなくしてしまう。
「そっか。」
そのまましばらく沈黙が続く。
女の子は雨の音を聞いているのか目を伏せて
耳を澄ましているように見えた。
ザーッザーッ……
先に沈黙を破ったのは烈だった。
「……名前は?」
「私?」
「そう。」
「マリ。」
マリ、か……。
何となく彼女にぴったりな名前だと思った。
「ふふふ。マリって名前気に入ってるの。」
微笑むマリはとっても可愛く見えた。
いや、現に可愛いのだが。
「俺さ自分の名前嫌いなんだよね。」
「どうして?」
「烈って名前、珍しいだろ?
けっこうその名前でいじられるんだ。
例えば劣性の劣とかさ。」
マリは黙って聞いてくれてる。
「劣って劣るとも読むし。
なんか俺って劣ってんのかな、的なね。」
「そうなの。烈かぁ……確かに聞いたこと無いわね。私はいいと思うけどな。」
そう言って小さく、
「誰にでも劣ってる部分はある。」
「ん……?」
「ううん。何でもないの。
あら?日が差してきた。」
空を見上げると曇天から晴天に変わっていた。
何だ、ただの通り雨か?
時間を確認すると走ればバイトに間に合う。
「止んだからいくね。烈、お話ありがとう。」
「おう。」
「烈、また会おう?バイバイ」
え?ちょっ……
そのまま駆け出して走って行ってしまった。
「会おうとか、名前しか知らねえし。」
そのまま烈もバイト先に向かう。
わからなかったよ?」
烈は元々、女の子と話すのは得意ではない。
「……俺、あんま話すの得意じゃねーし。」
冷たい性格ではないのにそっけなくしてしまう。
「そっか。」
そのまましばらく沈黙が続く。
女の子は雨の音を聞いているのか目を伏せて
耳を澄ましているように見えた。
ザーッザーッ……
先に沈黙を破ったのは烈だった。
「……名前は?」
「私?」
「そう。」
「マリ。」
マリ、か……。
何となく彼女にぴったりな名前だと思った。
「ふふふ。マリって名前気に入ってるの。」
微笑むマリはとっても可愛く見えた。
いや、現に可愛いのだが。
「俺さ自分の名前嫌いなんだよね。」
「どうして?」
「烈って名前、珍しいだろ?
けっこうその名前でいじられるんだ。
例えば劣性の劣とかさ。」
マリは黙って聞いてくれてる。
「劣って劣るとも読むし。
なんか俺って劣ってんのかな、的なね。」
「そうなの。烈かぁ……確かに聞いたこと無いわね。私はいいと思うけどな。」
そう言って小さく、
「誰にでも劣ってる部分はある。」
「ん……?」
「ううん。何でもないの。
あら?日が差してきた。」
空を見上げると曇天から晴天に変わっていた。
何だ、ただの通り雨か?
時間を確認すると走ればバイトに間に合う。
「止んだからいくね。烈、お話ありがとう。」
「おう。」
「烈、また会おう?バイバイ」
え?ちょっ……
そのまま駆け出して走って行ってしまった。
「会おうとか、名前しか知らねえし。」
そのまま烈もバイト先に向かう。