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透明な黒
第2章 マリ
「……烈、上手だった」
「うるさい。」
「初めてなのによかったよ?」
烈はマリの頭を軽く小突いた。
「……ったく、誘惑するなよ。」
よくよく、考えてみれば避妊具も着けずに
勢いでやってしまった。
「誘いに乗ったのはそっちだわ。」
にやにやするマリ。
「はいはい。
いーから早く拭かないと……」
えっと……ディッシュは……
烈は部屋を見渡すが見当たらない。
しょうがない。洗面所からいらない
タオル持ってくるか……
「烈、お風呂貸してくれる?」
「無理。」
「でも烈のせいで体がベトベトなの。」
「だからタオル貸してやるから……」
マリはむくっと起き上がり軽く髪の毛を
整える。
「私、今日泊まる。ね?いいかな。」
もう、何でこいつはこんなに
突発的なんだよ
「それは困る。それにマリの親心配するだろ。
男の家に泊まるなんて聞いたら」
「でも一線越えちゃったね。ふふふ。」
マリは何がおかしいのか口に手をあて、
くすくす笑う。
「ったく。手だして悪かったな。」
今回は俺にも非がある。
確かに誘ってきたのはマリだけども、
自らの欲望に負けたのは俺だ。
「お風呂借りまーす。」
着てきたワイシャツを上から羽織り
そのまま一階へと降りていく。
しばらくするとシャワーの音が。
ってかあいつ勝手に入ったあげく
着替えどうすんだよ……
バスタオルも用意しなきゃだし
下着だってこんなに濡れてちゃ
はけないだろう……
はぁ……身勝手なやつ。
烈は大きなため息をついた。