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透明な黒
第2章 マリ
けっこう長い間マリはお風呂に
入っていた。
その間、烈はマリが着れそうな洋服を
選んでいる。
母さん背が大きいからマリじゃ
ブカブカだろうし……
かといって他に貸せる洋服はない。
「お風呂いただきました。お湯まだ
あったかいから烈も入れば?」
「は?シャワーだけ浴びてたんじゃなかったのかよ!?」
こ、こいつ勝手にお湯わかして
ゆっくり浸かってたのか。
道理で遅いなとは思ったんだ。
「お風呂綺麗だったから気持ちよかったよ。」
にこにこご機嫌なマリ。
バスタオル姿で髪の毛はびちょびちょだった。
「ったく。髪の毛乾かしたら帰れよ?」
ぽふっとマリに烈のTシャツを投げ渡す。
「それ着て帰んな。そのシャツもういらないから
返さなくていいし。」
「烈。言ったでしょう?泊まるって。」
「だからさ。女の子家に泊めれないし。
それに母さん次いつ帰ってくるかわかんないしさ。」
「大丈夫。さっき交わったんだもの。
今さら泊めれない理由はないわよ。」
核心ついてくるなこいつ。
既に体を重ねた二人にとって
お泊まりがダメな理由はない。
「んー……」
母さん最後にいつ帰ってきたっけ……
確か先週の木曜日位だったかな。
今日は水曜日だしそろそろ帰って来そうなんだよなぁ……
烈は悩んだあげく、
「マリ。布団は別な。」
「泊まっていいのね?嬉しい!」
「泊まってもいいけど、明日マリも学校だろ?
そこどうすんだよ。」
「それは明日考えればいいでしょう。
もう、いいから早く烈もお風呂入ってきて!私ご飯作るから。」
マリの有無を言わさない口調で
俺は風呂に入った。