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あなたの面影
第6章 雨が降る金曜の夜
「壊してるんだから当たり前だろ? 一度俺の中で壊れろ。俺が作り直してやるから」

一仁さんは笑いながら腰を更に突き上げた。

「んひゃっ……ああっ!! や、壊さな、いでっ!! んんっ!! ああっ!!」

こんな体勢のまま、二回目の波に飲まれた。

抱き締めあい、体を絡めあって達するセックスしか知らない私は怖かった。こんな姿ではしたなく逝き続けることが。

脳内は朦朧とし、快楽だけが諾々と押し寄せてくる。

「もうだめっ!! もう駄目ぇええっ!! イッくっ!! イクイクイクぅうっ!!」

そんなにはしたなく叫んだのは生まれてはじめてだった。
叫んで身体中に蓄積された毒のような快楽を吐き出したかった。
その瞬間それまでの絶頂を凌ぐ恍惚の悦感が、私の体幹を貫いた。
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