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あなたの面影
第8章 一仁の愛し方
一仁さんの親指が私の唇の端から端までゆっくりと撫でる。

「んっ……」

キスとは違う、背徳的な震えがあった。

「聡志とは違うやり方で愛してやるよ……名執一仁を愛せるように……」
「駄目っ……お願いっ……」

一仁さんの顔が目の前まで迫り、唇が重なる。
情けないことに私の抵抗は彼のキスひとつで瓦解してしまう。

この数週間で彼の愛撫を覚えてしまった身体は、服の上から弄られただけで潤ってしまう。
一仁さんと肌を重ねたことで知ったことは幾つもある。
乳首をキツく摘ままれると痛さと共に身体が熱くなるということ。
太ももを甘噛みされるとゾクッと肌が粟立つこと。
愛撫されながらストッキングを破かれてると恐怖に似た悦感を感じること。

震えながら彼の愛し方を全身で感じていた。
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