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あなたの面影
第9章 危険な罠
彼女をここから出さなければ金は用意できない。
しかし出せば警察を呼ぶ可能性もある。
タケルは少し考えてからナイフを持った手を坊主頭に向けた。

「おい、リュウジ。お前一緒についていけ」

その瞬間に私は自分でも信じられない勇気が沸き出した。
ナイフが離れた瞬間に起き上がり、その腕にしがみついた。

「早くっ!! 警察呼んで!!」
「テメェ!!」

痴漢撃退方法として昔学んだことのある手首捻りをしてナイフを落とさせた。

「ババァ!! 殺すぞ!!」

リュウジが血相を変えて私に向かってくる。

その瞬間だった。

個室のドアが勢いよく開かれる。
それと同時に部屋に飛び込んできたのは一仁さんだった。

「えっ……!?」

私だけでなくリュウジもタケルも驚きの声をあげていた。

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