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あなたの面影
第9章 危険な罠
今日だけは見逃してやるから出ていけ、と言われると二人は競うように慌てて個室から逃げ出していく。
そこでようやく私は気が抜けて、腰を床に落とした。
一仁さんは立ち上がり、無言で妹の頬を平手で叩いた。
「か、一仁さんっ!?」
理由も聞かずいきなり叩いては玲香ちゃんだって可哀想だ。
確かに悪意をもって私を呼び出したのは確かだが、ここまでの事態は想定していなかったはずだ。
それに途中からは私を庇おうとして必死になってくれていた。
叩かれた玲香ちゃんはそのまま顔を斜め下に向けたまま「ごめんなさい」と呟いた。
「俺じゃなくて瑞波に謝れ!!」
「一仁さんっ……そんな言い方しなくても」
飛び込んで大暴れした時でさえ冷静だった一仁さんが驚くほどに感情を高ぶらせていた。
そこでようやく私は気が抜けて、腰を床に落とした。
一仁さんは立ち上がり、無言で妹の頬を平手で叩いた。
「か、一仁さんっ!?」
理由も聞かずいきなり叩いては玲香ちゃんだって可哀想だ。
確かに悪意をもって私を呼び出したのは確かだが、ここまでの事態は想定していなかったはずだ。
それに途中からは私を庇おうとして必死になってくれていた。
叩かれた玲香ちゃんはそのまま顔を斜め下に向けたまま「ごめんなさい」と呟いた。
「俺じゃなくて瑞波に謝れ!!」
「一仁さんっ……そんな言い方しなくても」
飛び込んで大暴れした時でさえ冷静だった一仁さんが驚くほどに感情を高ぶらせていた。