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あなたの面影
第10章 告白
「そう、かもね……」

きっかけから運命的なんて、あり得ない。
付き合って、人となりを知って、深く愛し合って、離れがたいものとなって、その時始めて過去を振り返って出逢いが運命的だったと思うのかもしれない。

「じゃあ、納得してくれたところで」

一仁さんは挑発的な顔で笑いかけてくる。

「俺の性癖を受け入れてくれるかな?」

その笑顔は妖しく心を惹き付ける力があった。

「あ、あんまり痛いのとかは嫌ですよ……あ、あと汚いのとかは絶対駄目!!」
「分かってる……」

彼の手が私の手首を掴む。
勢いで瓶の中のカクテルが溢れた。
私の手からそのボトルを奪うと煽るように口に含み、口づけをしてそれを飲ませてきた。
彼の温度で少し温くなったカクテルは不思議なくらいに甘くて美味しかった。


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