この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたの面影
第12章 傷の深さ
呆然と部屋に戻ると既に聡志はいなかった。
テーブルの上には一枚の置き手紙が乗っていた。
『彼氏と幸せになってね。今までありがとう』
私の体から落ちる水滴でその文字はすぐに滲んでしまう。
静かな部屋には雨が降りつける音だけが聞こえていた。
また、雨だ。
だから雨の日は、嫌いだ……
雨はすぐに私の大切なものを洗い流すように奪ってしまう……
濡れた体のままソファーに倒れるように座った。
……私が聡志を待ちきれなかったのが、いけなかったんだろうか?
それとも逆に聡志を吹っ切れなかったのが、いけなかったんだろうか?
人生はいいことも悪いことも起こり、結局プラスマイナスゼロである。
誰かが言ったなんの根拠もなさそうな言葉が頭に浮かんだ。
じゃあ私の人生、これからいいことづくめになりそう
たいして面白くもないことが頭に浮かんで、思わず笑った。
なんにもおかしくないのに、笑いはなかなか収まらなかった。
テーブルの上には一枚の置き手紙が乗っていた。
『彼氏と幸せになってね。今までありがとう』
私の体から落ちる水滴でその文字はすぐに滲んでしまう。
静かな部屋には雨が降りつける音だけが聞こえていた。
また、雨だ。
だから雨の日は、嫌いだ……
雨はすぐに私の大切なものを洗い流すように奪ってしまう……
濡れた体のままソファーに倒れるように座った。
……私が聡志を待ちきれなかったのが、いけなかったんだろうか?
それとも逆に聡志を吹っ切れなかったのが、いけなかったんだろうか?
人生はいいことも悪いことも起こり、結局プラスマイナスゼロである。
誰かが言ったなんの根拠もなさそうな言葉が頭に浮かんだ。
じゃあ私の人生、これからいいことづくめになりそう
たいして面白くもないことが頭に浮かんで、思わず笑った。
なんにもおかしくないのに、笑いはなかなか収まらなかった。