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あなたの面影
第13章 笑顔の別れ
でも自分の身を憐れむことはもうしない。
一仁さんが教えてくれた。
前を向いて生きるということを。
だから私は、今を生きる。
「どうしたんですか、野寺さん」
そんなことを考えて、ぼうっとしていた私に声をかけてきたのは、一年後輩の梶原(かじわら)君だった。
「どうしたって?」
「今、なんか凄く嬉しそうな顔してましたよ?」
「そう?」
「彼氏でも出来たんじゃないのー?」
ふざけることが専門の先輩がからかうように会話に横入りしてくる。
「そんなんじゃないですよ」
「とか言っちゃって!! 真面目な野寺ちゃんにも遂に春が来たかな?」
「違いますから!!」
悪い人じゃないんだけど、この人がからかいだしたらちょっとしつこい。
「違うって言ってるじゃないですか!!」
私が怒るよりも早く、梶原君がキレていた。
「そっか……勘違いかぁー」
空気が険悪にならないように先輩は笑いながら立ち去っていく。
一仁さんが教えてくれた。
前を向いて生きるということを。
だから私は、今を生きる。
「どうしたんですか、野寺さん」
そんなことを考えて、ぼうっとしていた私に声をかけてきたのは、一年後輩の梶原(かじわら)君だった。
「どうしたって?」
「今、なんか凄く嬉しそうな顔してましたよ?」
「そう?」
「彼氏でも出来たんじゃないのー?」
ふざけることが専門の先輩がからかうように会話に横入りしてくる。
「そんなんじゃないですよ」
「とか言っちゃって!! 真面目な野寺ちゃんにも遂に春が来たかな?」
「違いますから!!」
悪い人じゃないんだけど、この人がからかいだしたらちょっとしつこい。
「違うって言ってるじゃないですか!!」
私が怒るよりも早く、梶原君がキレていた。
「そっか……勘違いかぁー」
空気が険悪にならないように先輩は笑いながら立ち去っていく。