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ダークサイド・ムーン- 催眠術師の秘密倶楽部 序章 -
第5章 復讐
着いた先は閑静な住宅街にある2階建ての一軒家だった。
「ここは?」
「彼女の家です。電話で呼び出して、安心させる為に、来馴れている彼女の家に誘い込んでジュースに混ぜたドラッグを飲ませたんです」
男は得意気に言う。

「さあ、入ってください。家族はみんな出掛けてますから」
男は自分の家のように神内を招き入れる。

「お宝は2階です。クスリでボーッとなってるんで、後は神内さんの思い通りですよ」

神内と男は2階に上がり、少女の部屋に入る。

部屋の中には、見馴れた制服姿の少女が2人座っている。

男の奴隷少女と、神内とは初対面のバレー部の少女。
クスリの効果で夢見心地の様な表情でボンヤリと壁の一点を見ている。

「好きにしてください」
男は奴隷少女を立たせると邪魔にならないよう部屋の隅に移動する。
「ああ」
男に答えると神内は少女の隣に座り耳許で囁く。

「僕の声が、聞こえますか?」
「…はい…聞こえま…す…」
少女は素直に答える。

「あなたの名前は、何ですか?」
少女は声のする方向に眼を向けるが焦点が合っていない。

「…シオミ…」
「下の名前は?」
「…アキ…」
ゆっくりと答える。

「アキさんですね。これから、貴女の事を、アキと呼びます。いいですね?」
「…はい…」
「僕の声に集中してください。そうすれば、だんだんと周りの音が小さくなって、僕の声しか聞こえなくなります」
クスリの効果のお陰で面倒な催眠術の導入部分を省略できる。
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