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仔猫と狼
第12章 微妙
その後、片岡の言葉通り、薄いピンクの柄が入ったグレーのニットジャケットを選んだ。
そのジャケットを中心にいつものようか服をあわせて、アフレコ現場に向かった。
車での移動中、音がない事が無性にイライラするので、ラジオでもつけた。
「…。」
適当にラジオでは、最近あった事件や芸能人のスキャンダルなど様々な事を言っていた。
その中で、女子高生を狙った連続通り魔事件が耳に残った。
「港区…。」
連続通り魔事件が起きているのは、今日の最後のアフレコ現場がある区画だ。
「…。」
…。
「…。」
イライラする…。
「…クソっ。」
俺は車が赤信号のタイミングで、携帯を連動させてある車から山田に電話をかけた。
あいつが今忙しいだろうが関係ねえ。
「もしもし?鳥居くん?…何かあった?」
「ああ、今日の夜さぁ…