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仔猫と狼
第14章 進行
高瀬さんに抱き寄せられた手はかなりがっちりしていた。
手を叩かれた結城さんは面白そうにニヤニヤしていた。
「叩くなんてひどいなぁ〜。」
ととても楽しそうに高瀬さんに声をかけている。
「私の可愛い美鈴ちゃんを不躾に撫でるからですよ。」
と語尾にハートがついてそうな可愛らしい声で高瀬さんが答えていた。
その奥には少し不機嫌そうな鳥居さんの姿があった。
気まずいけど挨拶をきちんとしなくちゃ…。
高瀬さんの手からの後れようとしたが、以前変わらずがっちり掴まれたままだ。
鳥居さんのもとに向かおうとあくせくしていると、音声監督さんが目の前に立たれていた。
「片岡ちゃん、今日もよろしくね。」
優しい笑顔で挨拶をしてくださった。
「本日もよろしくおねがしします。」
私も慌てて挨拶を返す。
「片岡ちゃんは高瀬ちゃんと仲いいのかい?」
私と高瀬さんがくっついているからそう思われたのだろう。