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仔猫と狼
第14章 進行
私なんかが有名声優な高瀬さんと仲良しと答えていいものかと悩み、どう答えるべきかといいよどむ。
すると、先ほどまで結城さんと楽しそうに言い合っていた高瀬さんが音声監督に笑顔で振り返った。
「私が美鈴ちゃんになついているんです。監督うらやましいでしょ。」
っと小悪魔的な表情を浮かべて答えた。
「片岡ちゃんモテモテだねぇ。」
「い、いえ…。そんな…。」
高瀬さんの優しい対応にうまく答えられなかったのが恥ずかしくて目線を下げてしまう。
「高瀬さん、そろそろ離してくれない?」
その声が真横から聞こえるとさっきまでがっちりと掴まれていたはずの手が外れた。
そして新たに私の右肩に手が乗る。
「鳥居さんもやきもちですか?」
嬉しそうに高瀬さんが笑う。
「違うよ高瀬ちゃん。鳥居くんはきっと僕に嫉妬したんだよ。」
「そんなわけないでしょうよ、結城さん。」
「あはははは。」
自分が嫉妬されたんだと意気揚々に言う結城さんに鳥居さんがツッコミを入れる。
その返しに結城さんは残念そうな顔をした。
そんな様子に音声監督が肩を揺らして笑い声をあげる。
そんな中、私はいろんな意味で置いてけぼりだった。