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仔猫と狼
第16章 こぼれ落ちる

















「病院に行こう。」
















そっか…。













昨日、私は鳥居さんと性行為を行い、中に注がれてしまった。












確かにこのまま放置すれば妊娠する可能性がある。















それでは、鳥居さんに迷惑がかかってしまう。














それは、避けなくてはならない。















鳥居さんや鳥居さんのファンの方々、鳥居さんの声優人生のためにも。



















「…保険証、取ってきますね。」
















「ああ。」















私は名残惜しくも手をそっと離した。















財布を取りに部屋に戻る私の後ろ姿に鳥居さんは再び声をかけてきた。












「洗面所…、借りるな…。」














「はい、どうぞ。」















「それと、片岡…。服…着替えろよ。」


















「あ…。はい。」















忘れてた。












私は、鳥居さんを待たせたくなくて慌てて着替え、財布と携帯を鞄に入れ、玄関に向かった。













そこには、すでに靴を履いた鳥居さんがいた。














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