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仔猫と狼
第17章 素直になること








片岡の父親の声は、大人の俺が聞いても身が凍るような冷ややかなものだった。













その嫌悪の込められた視線に逃げ出したいような気持ちになりつつ、俺は頭を下げた状態で片岡にしてしまった行為を説明した。














話し終えた時には、片岡の父親からの視線は無くなっていた。













頭を上げることもできずに、ひたすら頭を下げた状態でいると、応接室の扉が開いた。














「片岡さん、言われたもの持ってきました。」










部屋の中に入ってきたのはどうやら女性のようだった。













「ああ、ありがとう。婦長、悪いがあとで説明をするからこのことは他言無用で頼むよ。」












「はい。わかりました。」















やりとりを聞いている限り、この病院の婦長のようだ。














しかし、一体何を持ってきてもらったのだろうか。














今後一切関わりを禁止とする誓約書でも書かされるのだろうか…。














なんて、バカみたいなことを考えつつ、片岡さんから発せられる言葉を待った。













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