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仔猫と狼
第17章 素直になること
「鳥居さん、一旦きちんと話したいので頭を上げてもらえませんか?」
そんな私の思考を断つようにやっとおとうさんが口を開いた。
「はい。」
返事と共に鳥居さんはやっと顔を上げた。
気のせいだろうか…、さっきまでの苦悩するような影が顔からきえたように見えた。
「君の話しでは、うちの娘の無理やり性行為を行ったと話していたが。美鈴、本当か?」
やっと、話しを聞いてもらえる。
「無理やりなんかじゃない。私も鳥居さんと、その…することを望んだ。」
変に取り繕ったところでばれてしまうなら、少しでも鳥居さんが責められる要素を少なくしよう。
「私の腕に抵抗したようなあとがないのが何よりの証拠になるでしょ?」
私の言葉にお父さんは少し唸り、先ほど婦長から受け取っていたものをテーブルの上に置いた。
それは、薬と水だった。