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仔猫と狼
第4章 踏み出す一歩
…まさか⁉︎
俺は、女を放置し山田に電話をした。
しばらく呼び出し音が聞こえ、迷惑そうにする山田がでた。
「なんですか、鳥居さん。」
「もしかして、こないだのガキは今日、俺の家にくる予定だったか?」
「そうですよ。昨日の夜車の中で話したじゃないですか。…。まさか、今日も女性を連れ込んでたわけじゃないですよね?」
「…そのまさかだ…。」
「はぁ…。」
久々に仕事で失敗した。
正直、キレた山田は俺の実の母より強い…。
「すまない…。」
「本当ですよ。今回の原石は、いい商品になりそうなんですから。絶対に逃げられないようにしておいてくださいよ。」
「あ…あぁ…。」
この裏山田の黒発言も久々に聞いたな。
「そのためには今すぐに、彼女を見つけてください。」
「し、仕事は…?」
「それは、僕がフォローしておきますから。30分以内に見つけてすぐスタジオに来てください。」
「30分⁉︎」
「多いですか?」
「…い…。いや…大丈夫だ…。」
「じゃあ、スタジオで待ってますよ。」
「あぁ…。」
電話は一方的に切られた。