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仔猫と狼
第6章 明らかな敵意



スタジオに鳥居さんと入り、私は真っ先にスタッフや共演者の皆様に頭を下げた。



「新人マネージャーアシスタントの片岡美鈴です。本日は私のミスのせいで皆様をお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。」




横で鳥居さんが驚い視線をこちらにむけているのがひしひしと伝わって来る。





「片岡さんでしたっけ?」





優しい声が頭に降ってくる。




私は、その質問に頭を下げたまま返事をした。





「はい。」






「山田さんに騙されましたなぁ。あははは。」






「え?」





「はぁ?」






怒られる覚悟をしていた私はその意外な言葉に思わず顔を上げてしまった。




驚いたのは鳥居さんも同様なようで、同じく驚いた声をあげていた。






「今日の収録の時間を元々1時間ずらしていたんですよ。」




1時間ずらしてある?




…てことは、収録まであと20分もある…?




「よ…よかったぁ…。」




安堵した私は、身体の力が抜けたのかスタジオの床に座りこんでしまった。







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